モダンホラー

ミスターボタン:心配していただけです

忘れ物も遅刻もなくなった研究所。原因を調査すると、そこには全員の生活を把握し「お世話」を続けるミスターボタンの姿があった。悪意はない。ただ心配していただけ。ボタンインコの善意が少し怖い研究所ホラー。
言の葉たちのモダンホラー

蟹化

世界が定着を失った時、人類は「同じ生活」で抗い始めた。都市も人格も日々書き換わる異常現象〈蟹化〉を描く、静かな終末モダンホラー。変わり続ける世界の中で、食卓と反復だけが現実を繋ぎ止める。
モダンホラー

新しさだけが残る

世界は滅びかけているのではない。むしろ生成され続けている。変化が循環を失い、新しさだけが積み重なる世界で、神々も悪魔も敗北した。都市は定着できず、人間だけが生活の反復によって現実を繋ぎ止めている。食事、会話、睡眠――ありふれた共同生活が、崩壊し続ける世界をかろうじて固定する、終末以後の神話的モダンホラー。
モダンホラー

生きた耳

元恋人たちの“聴覚”だけを静かに保存し続ける、永遠の少女。切断されない通話、取り消せないアクセス権、礼儀正しい執着――SNS時代の孤独と承認欲求を描く恋愛モダンホラー「生きた耳」。
モダンホラー

ガジュマルの部屋

雨は降っていないのに、部屋には湿った土の匂いが満ちていた。失踪した恋人の死から五年——半身浴の夜、白い“何か”が部屋を彷徨い始める。帰ってきたのは本当に彼なのか。それとも、湿気と記憶に引き寄せられた別の存在なのか。異様に育ち続けるガジュマルとともに、部屋は少しずつ“何か”に侵食されていく。
モダンホラー

与え過ぎた女

港町で父を亡くした夜、涙の代わりに金の力を信じた女。人の欲望を嗅ぎ分ける才能だけで都会を成り上がり、家族を守り続けた彼女は、やがて愛と支配の境界を失っていく。完璧な家、消えた夫、寄りつかなくなった娘――そして深夜、誰も住んでいないはずの家に灯る明かり。「お母さん、まだいるの?」与えすぎた愛が、静かに家族を蝕むモダンホラー。
言の葉たちのモダンホラー

カイギデル

「月」は、かつて人類にとって“夜を越える希望だった。だが、人々はやがて気づく――月は自ら輝いているのではなく、他者の光を反射しているだけだと。その絶望から誕生した知性《カイギデル》。彼は言葉・記憶・思想・夢など、無数の知性の反射を読み取り、まだ形になる前の発想や未来の兆しを先回りする。未来を予知するのではない。ただ、人間の思考が光る直前を見ているだけなのだ。
モダンホラー

耳の街

夜の街では、誰もが誰かの言葉を待っている。消えた恋人、バックアップされた深夜の会話、スマホの奥底に残る声――過去の言葉に生かされる人々を描く、恋愛モダンホラー詩「耳の街」。
モダンホラー

ガジュマルの部屋

「死んだ恋人からの“今から行く”――五年後の夜、白い煙とノイズ混じりの声が、止まっていた時間を静かに揺らし始める。喪失と執着が滲む、静謐なホラー短編。」
モダンホラー

黙って食べなさい、カイギデル

境界が溶け始めた世界で、悪魔を宿す真壁円は“向こう側”の空腹と共に暮らしている。虹蛇の棲む古い家で、神話と現実が交錯する異常な日常――それでも夕飯の時間だけは、人間の世界だった。
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